「蛇口をひねっても、水が出ない。」
もし突然そんな状況になったら、あなたはどうしますか?
私たちは毎日の生活で、思っている以上にたくさんの水を使っています。
飲み水はもちろん、
- 料理
- トイレ
- 手洗い
- 歯磨き
- 洗濯
- お風呂
など、水がなければ普段どおりの生活を続けることは難しくなります。
地震や台風、大雨などの災害では、水道施設や配水管などが被害を受け、断水が発生することがあります。
しかも、断水で最初に困るのは「飲み水」だけではありません。
「トイレは流していいの?」
「給水所へは何を持っていけばいい?」
「お風呂の残り湯は使える?」
実際に水が止まってから、こうした疑問が次々と出てきます。
だからこそ、断水してから考えるのではなく、水が止まった時にどう行動するのかを今のうちに知っておくことが大切です。
この記事では、断水した直後の行動から、飲み水・トイレ・生活用水の確保、長期化した場合の備えまで、順番に分かりやすく解説します。
ラボくんラボ先生、断水してもペットボトルの水があれば大丈夫じゃないの?
ラボ先生飲み水だけならそう思うかもしれないけど、水はトイレや料理、手洗いにも使うよね?
ラボくんあっ……。トイレも流せなくなるんだ!
ラボ先生そうなんだよ。
水が止まってから慌てないためにも、今日は断水した時の行動と備えを一緒に確認していこう。
断水したら最初にやること
蛇口から水が出なくなったら、まずは落ち着いて状況を確認しましょう。
災害による断水なのか、自宅だけの問題なのかによって、その後の対応も変わります。
本当に断水しているのか確認する
まず確認したいのは、自宅だけ水が出ないのか、地域全体で断水しているのかです。
可能であれば、
- 自宅のほかの蛇口
- 近隣の状況
- 自治体
- 水道事業者
などの情報を確認しましょう。
マンションの場合は、停電によって給水ポンプが停止し、水道管自体に問題がなくても水が出なくなる場合があります。
管理会社や管理組合からのお知らせも確認してください。
自治体・水道事業者から正しい情報を集める
断水が発生すると、自治体や水道事業者から、
- 断水している地域
- 復旧の見込み
- 応急給水の場所
- 給水時間
などが案内されることがあります。
SNSだけの情報をうのみにせず、自治体や水道事業者などの公式情報を確認しましょう。
断水が長引きそうなら、早めに給水場所と給水方法を確認しておくことも大切です。
まだ水が出る場合は状況を確認してから確保する
災害発生直後でも、水道管などに被害がなければ、しばらく水が出る場合があります。
ただし、災害の種類や地域の状況によっては、水質への影響や使用制限などが案内される可能性があります。
そのため、自己判断だけで飲料水として大量にためるのではなく、自治体や水道事業者からの情報を確認することを優先しましょう。
飲料用として水を保存する場合は、衛生的で安全な容器を使用することが基本です。内閣府掲載の防災資料でも、家庭で貯水する場合は水道水などの衛生的な水を使い、衛生的で安全性の高い容器を使用するよう示されています。(防災ポータル)
断水したらトイレの水をむやみに流さない
ここは、ぜひ覚えておきたいポイントです。
「水道が止まったら、お風呂の残り湯をバケツでトイレに流せばいい」
と思っている方もいるかもしれません。
確かに、排水設備に問題がないことが確認できていれば、断水中でもバケツの水で流せる場合があります。(東京防災情報)
しかし、地震などで排水管や下水道管が破損している場合、水を流すと汚水の逆流や漏水につながる可能性があります。東京都は、排水管が損傷していないことを確認できるまではトイレの使用を控えるよう案内しています。(東京防災情報)
特にマンションでは、自宅だけで判断せず、管理会社や管理組合からの情報も確認しましょう。
「断水=バケツの水で流せばいい」とは限らないことを覚えておいてください。
💡ラボ先生のワンポイント
断水した時は、
「水がないからどうしよう」より先に、「今使っても安全なのか」を確認すること。
特にトイレは、排水設備の安全が確認できるまで非常用トイレを使用できるよう、普段から準備しておくと安心です。
断水したときの飲み水をどう確保する?

断水すると、まず確保したいのが飲料水です。
大規模災害では、応急給水が行われる場合がありますが、発災直後からすぐ十分な水を受け取れるとは限りません。
内閣府の南海トラフ地震の応急対策計画でも、発災後3日間については家庭や自治体の備蓄を含めて対応する想定になっています。(防災ポータル)
だからこそ、まずは家庭で一定量を備えておくことが大切です。
家庭で備えている保存水を使う
最初に使えるのが、普段から備蓄しているペットボトル水や長期保存水です。
飲料水は、飲むだけでなく調理にも使います。
家族の人数を考え、少し余裕を持って備えておきましょう。
ローリングストックとして普段飲んでいる水を少し多めに買い、使った分だけ補充する方法なら、無理なく続けやすくなります。
飲料水は1人1日どのくらい必要?
目安は、1人1日3Lです。内閣府の資料でも、断水などへの備えとして1人1日3Lを目安としています。(防災ポータル)
例えば、
| 家族人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 9L | 21L |
| 2人 | 18L | 42L |
| 3人 | 27L | 63L |
| 4人 | 36L | 84L |
4人家族なら、7日分で84Lになります。
数字にすると「こんなに必要なの?」と驚くかもしれません。
最初からすべてそろえようとせず、1箱ずつ増やしていく方法でも構いません。
内閣府は2025年度の防災週間資料でも、食料・飲料水などについて最低3日、できれば1週間分程度の備蓄を呼びかけています。(防災ポータル)
給水所を利用する
家庭の備蓄が少なくなった場合は、自治体などが設置する応急給水場所を利用します。
災害時には、給水車、応急給水槽、仮設給水栓などを使って給水が行われる場合があります。(防災ポータル)
ただし、給水場所や開始時間は災害によって異なります。
「近くの避難所へ行けば必ず水がもらえる」と思い込まず、自治体や水道事業者の公式情報を確認しましょう。
給水を受けるための容器も準備しておく
意外と忘れやすいのが、水を持ち帰るための容器です。
東京都水道局は、災害時給水ステーションを利用する際、清潔なポリタンクなどの容器と、それを運ぶカートやリュックなどを持参するよう案内しています。背負える給水袋も便利としています。(東京都水道局)
水は1Lで約1kg。
10Lなら約10kgです。
特に高齢者や女性、一人暮らしの方の場合、「水をもらえるか」だけではなく、「自宅までどう運ぶか」まで考えておくことが大切です。
折りたためる給水バッグや小さめの容器、キャリーカートなど、自分が無理なく運べる方法を一度考えておきましょう。
断水したときトイレはどうする?

断水したとき、飲み水と並んで困るのがトイレです。
水道が止まっても便器そのものは残っているため、「お風呂の残り湯を流せば使える」と思うかもしれません。
しかし、地震などで排水管や下水道が破損している場合、水を流すことで汚水が逆流したり、集合住宅では下の階へ漏れたりするおそれがあります。
東京都の防災資料でも、排水管などの安全が確認できない場合はトイレに水を流さず、携帯トイレを使用するよう案内されています。
水洗トイレはすぐに流しても大丈夫?
一律に「流して大丈夫」とは言えません。
断水の原因が水道設備だけにあり、排水設備に問題がないことが確認できている場合には、バケツなどの水を使って流せることがあります。
一方、地震直後など排水設備の状態が分からないときは、自己判断で水を流さない方が安全です。
特にマンションでは、自宅の排水管だけではなく建物全体の配管に影響が出ている可能性があります。管理会社や管理組合、自治体などから「排水してもよい」と確認できるまでは、非常用トイレを使用しましょう。
非常用トイレを使う
断水時に備えて用意しておきたいのが、便器に袋を取り付けて使う**非常用トイレ(携帯トイレ)**です。
一般的には、
- 便器に袋を取り付ける
- 用を足す
- 凝固剤などで排泄物を処理する
- 袋をしっかり閉じる
という流れで使用します。
ただし、製品によって使用方法が異なるため、必ず商品の説明書に従ってください。
「買ってあるから大丈夫」ではなく、一度開封して使い方を確認しておくことも大切です。
家族の人数×使用回数で必要数を考える
非常用トイレは、1回使えば1個消費します。
例えば、1人1日5回使用すると仮定した場合、
| 人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 15回分 | 35回分 |
| 2人 | 30回分 | 70回分 |
| 3人 | 45回分 | 105回分 |
| 4人 | 60回分 | 140回分 |
4人家族で7日間なら、単純計算で140回分です。
「50回入りなら十分そう」と思っても、家族で使うと意外に早くなくなります。
トイレの回数には個人差がありますので、この数字は必要量を考えるための目安として、家族の状況に合わせて余裕を持って備えましょう。
▶ 非常用トイレの選び方やおすすめ商品は「非常用トイレおすすめ10選」で詳しくご紹介しています。

使用後の保管・ニオイ対策も忘れずに
非常用トイレは、使った後のことまで考えておく必要があります。
災害時には、ごみ収集が通常どおり行われない可能性があります。
防臭性の高い袋や大きめのごみ袋なども一緒に備えておきましょう。
また、使用済みの携帯トイレの処分方法は自治体によって異なる場合があります。災害時には自治体から案内される分別・収集方法に従って処分してください。
💡ラボ先生のワンポイント
非常用トイレは、「防災用品の一つ」と考えるより、
水が止まったときにもトイレを使い続けるための生活必需品
と考えてみてください。
飲料水と一緒に、家族全員で何日使えるか確認しておくと安心です。
飲み水以外の「生活用水」をどうする?

断水すると、飲料水以外にも大量の水が必要だったことに気づきます。
手洗い、歯磨き、調理、食器洗い、洗濯、入浴……。
限られた水をすべて普段どおりに使うことは難しいため、断水中は**「飲める水」と「生活に使う水」を分けて考えること**がポイントです。
手洗い・歯磨き
飲料水はできるだけ飲用や調理に残したいところです。
手指の汚れはウェットティッシュなども活用しながら、必要な場面では清潔な水で衛生を保ちます。
歯磨きも少量の水で行う方法を覚えて水の使用量を抑える、または、水を使わない歯磨きティッシュを使うのもおすすめです。
災害時でも口腔ケアを怠ると口の中の衛生状態が悪化するため、「水がもったいないから歯を磨かない」とは考えないようにしましょう。
調理・食器洗い
断水中は、できるだけ水を使わず食べられる食品が役立ちます。
例えば、
- そのまま食べられる非常食
- 缶詰
- レトルト食品
- 栄養補助食品
などです。
また、食器に食品用ラップやポリ袋などをかぶせて使用すれば、食後に交換することで洗い物を減らせます。
普段から「水を使わなくても食べられるもの」を非常食に何品か加えておくと安心です。
洗濯
断水中は、洗濯の優先順位を下げざるを得ない場合があります。
下着など必要なものを優先し、着替えを多めに準備しておくことも一つの備えです。
長期化した場合には自治体などから生活支援について案内されることもあるため、最新情報を確認しましょう。
入浴・体を清潔に保つ
断水中は、普段どおりの入浴が難しくなります。
そんなときに役立つのが、
- 体拭きシート
- ウェットタオル
- ドライシャンプー
- 歯磨きティッシュ
など、水をほとんど使わずに体を清潔にできる用品です。
夏場だけでなく、避難生活が長引いた場合の衛生管理にも役立つため、防災用品に加えておくと安心です。
お風呂の残り湯はどう使える?
お風呂の残り湯は、状況によって掃除などの生活用水として利用できます。
ただし、飲料水や調理用には使用しません。
また、「残り湯=断水したらトイレを流す水」と決めつけるのも注意が必要です。
前述したように、地震などで排水設備が破損している可能性がある場合は、排水設備の安全が確認できるまでトイレへ水を流さないようにしましょう。
断水中の衛生対策

断水が長引くほど気を付けたいのが、衛生状態の悪化です。
手洗いや入浴、洗濯が十分にできなくなるため、普段とは違う方法で清潔を保つ必要があります。
ウェットティッシュ・体拭きシート・歯磨きティッシュを活用する
手や体を拭けるシートや歯磨きティッシュを備えておけば、水をほとんど使わずに汚れを落とせます。
用途別に、
- 手指用
- 全身用
- 赤ちゃん用
- 歯磨き用
など、家庭に必要なものを備えておくと便利です。
ドライシャンプーを活用する
数日間髪を洗えない状況では、ドライシャンプーも役立ちます。
水を使わないタイプなら、断水中だけでなく避難所での生活にも利用できます。
一度購入して使ってみて、自分に合うタイプを確認しておくと安心です。
食器にラップなどを使って洗い物を減らす
断水中は、食器を洗うための水も貴重です。
食品用ラップやポリ袋などを食器にかぶせて使い、使用後に取り替える方法なら、洗い物を減らすことができます。
紙皿や紙コップなども、必要に応じて活用しましょう。
手指の衛生を保つ
災害時でも、食事の前やトイレの後など、手指の衛生は重要です。
水が十分に使えない場合に備え、ウェットティッシュなど水を使わずに清潔を保つ用品も準備しておきましょう。
ゴミ・使用済み非常用トイレのニオイ対策
断水が続くと、使用済み非常用トイレやウェットティッシュ、紙皿など、普段とは違うごみが増えます。
しかも、ごみ収集が止まれば自宅で一時保管しなければならない場合もあります。
そのため、
- 防臭袋
- 厚手のごみ袋
- 袋をしっかり閉じるための用品
なども備えておくと安心です。
使用済み非常用トイレなどは、自治体が案内する方法に従って処分しましょう。
💡ラボ先生のワンポイント
断水が長引いたときに大切なのは、
「限られた水をどう増やすか」ではなく、「水を使わずにできることを増やしておくこと」。
非常用トイレ、体拭きシート、歯磨きティッシュ、ドライシャンプーなどを上手に活用すれば、大切な飲料水を守りながら衛生的な生活を続けやすくなります。
赤ちゃん・高齢者・ペットがいる家庭の断水対策

断水への備えは、家族全員が同じではありません。
特に赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家庭では、一般的な飲料水や非常食だけでは足りないことがあります。
災害が起きてから、
「いつものミルクがない」
「高齢の家族が食べられるものがない」
「ペットの水まで考えていなかった」
と困らないように、わが家だから必要なものをあらかじめ考えておきましょう。
農林水産省でも、乳幼児や高齢者など食事に配慮が必要な人については、それぞれに合った食品を別に準備することを勧めています。 (農林水産省)
赤ちゃんがいる家庭
赤ちゃんがいる家庭では、大人以上に衛生面への配慮が必要です。
断水すると、
- ミルクの調乳
- 哺乳瓶などの洗浄
- おむつ替え後の手洗い
- 赤ちゃんの体を清潔に保つこと
などにも影響します。
特にミルクが必要な月齢の場合は、普段使っている育児用品だけでなく、水道が使えない状況でも授乳できるかという視点で備えを見直しておきましょう。
液体ミルクなど、調乳用の水を必要としない選択肢を備えておく方法もあります。農林水産省も、乳幼児がいる家庭では液体ミルクなど個別の備蓄が必要としています。 (農林水産省)
液体ミルクは容器が紙パックやパウチタイプなどがありますが、専用のアタッチメントを装着するだけで飲めるタイプもあるので活用しましょう。
冷たいミルクを飲めない場合、使い捨てカイロで温めると良いでしょう。
また、
- おしり拭き
- ウェットティッシュ
- 紙おむつ
- 使用済みおむつを入れる防臭袋
なども、断水時にはいつも以上に役立ちます。
普段使っているものを少し多めに備えて、使った分だけ補充するローリングストックなら無理なく続けられます。
高齢者がいる家庭
高齢者がいる家庭では、水分不足に気を付けることが大切です。
「トイレへ行く回数を減らしたいから」と水分を控えてしまわないよう、飲みやすい場所に飲料水を用意しておきましょう。
また、普段からやわらかい食事や介護食などを利用している方は、一般的な非常食では食べにくい場合があります。
農林水産省も、高齢者など食事に配慮が必要な人については、やわらかいご飯など、その人に合わせた食品を別に準備することを勧めています。 (農林水産省)
水だけではなく、
「水が止まった状態でも、いつもの食事やケアを続けられるか」
まで考えて備えておくことがポイントです。
ペットがいる家庭
忘れてはいけないのが、ペットのための水です。
人間用の飲料水だけを人数分計算していると、ペットの分が抜けてしまうことがあります。
ペットの種類、大きさ、食事内容などによって必要量は異なるため、普段どのくらい水を飲んでいるのか確認して、その子に合った量を備えておきましょう。
環境省が2026年に公表した「人とペットの災害対策ガイドライン」改訂案では、フードや水などを少なくとも5日分、できれば7日分以上用意することが示されています。療法食など特別な食事が必要なペットは、さらに長期間分の準備が必要とされています。 (環境省)
また、
- ペットシート
- 排泄物処理用品
- ウェットシート
- 防臭袋
など、水をあまり使わず衛生を保てる用品も備えておくと安心です。 (環境省)
▶ ペットの防災対策はこちらで詳しくご紹介しています。

断水が長引いたときに困らないための備え

数時間程度なら我慢できる断水も、数日続くと生活への影響は一気に大きくなります。
過去の災害では、ライフラインの復旧まで1週間以上かかったケースもあります。そのため農林水産省では、食品について最低3日分から1週間分×人数分の家庭備蓄を勧めています。 (農林水産省)
「明日には復旧するだろう」と考えるのではなく、長引く可能性も考えて備えておきましょう。
飲料水は最低3日分、できれば1週間分
2026年版の防災白書では、食料・飲料水について最低3日分、できれば1週間分を日常的に更新しながら備えることが望ましいとしています。 (防災庁)
農林水産省が2026年3月に公開した家庭備蓄の例では、飲料・調理用として1人1日およそ3Lが目安です。 (農林水産省)
つまり、飲料・調理用の目安は、
- 1人3日分……約9L
- 1人7日分……約21L
- 2人7日分……約42L
- 4人7日分……約84L
となります。
一度にそろえるのが大変なら、普段飲む水を少し多めに購入してローリングストックする方法でも構いません。
非常食は「水を使わず食べられるもの」も備える
断水時には、食品があっても、
「水がないから作れない」
ということがあります。
例えば乾麺やカップ麺、アルファ化米などは便利ですが、調理に水やお湯を必要とする商品もあります。
そこで、
- 開封してそのまま食べられる食品
- 缶詰
- 調理不要のレトルト食品
- お菓子・栄養補助食品
なども組み合わせておきましょう。
「何日分あるか」だけではなく、「水道が止まっていても食べられるか」まで確認することがポイントです。
▶ 水なし・調理不要で食べられるものも含めた非常食は「非常食おすすめ14選」で詳しくご紹介しています。

非常用トイレを多めに備える
断水が長引けば、非常用トイレもその分必要になります。
前章でご紹介したように、1人1日5回使用すると仮定すれば、4人家族で7日間なら140回分です。
非常用トイレを購入したら、
「○回分入りだから安心」
ではなく、
家族全員で何日使えるのか
まで計算してみましょう。
▶ 非常用トイレの必要量や選び方は「非常用トイレおすすめ10選」で詳しくご紹介しています。

給水用の容器を準備する
給水所が開設されても、水を持ち帰る容器がなければ困ります。
折りたためる給水バッグやポリタンクなどを準備しておきましょう。
そして忘れたくないのが、水は重いということです。
1Lの水は約1kgなので、10Lなら約10kg。
大きな容器を一つ用意するより、無理なく運べるサイズに分けたり、キャリーカートを準備したりする方法もあります。
衛生用品をまとめておく
断水が長引くほど、衛生用品の重要性も高まります。
例えば、
- ウェットティッシュ
- 体拭きシート
- 歯磨きティッシュ
- ドライシャンプー
- 防臭袋
- ごみ袋
- 紙皿・紙コップ
- 食品用ラップ
などです。
水を備えるだけでなく、「水を使わずにできること」を増やしておくと、限られた飲料水を大切に使えます。
家庭で今からできる断水対策

断水対策というと、大量の水を買っておかなければならないように感じるかもしれません。
でも、最初から完璧にそろえる必要はありません。
まずは、今のわが家の備えを確認することから始めてみましょう。
飲料水の備蓄量を確認する
まず家にある飲料水を数えてみましょう。
目標は、
1人1日約3L × 家族の人数 × 最低3日分。
そこまでなければ、次の買い物で1箱追加するところから始めても構いません。
最低3日分ができたら、次は1週間分を目標に少しずつ増やしていきましょう。 (農林水産省)
非常用トイレの数を確認する
「非常用トイレは買ってある」という家庭でも、一度個数を確認してみてください。
家族全員で使った場合、何日分ありますか?
足りなければ少しずつ追加し、すぐ取り出せる場所に保管しておきましょう。
給水所の場所を調べておく
災害が起きてから給水場所を探すのは大変です。
お住まいの自治体や水道事業者のホームページ、防災マップなどで、
「断水したら、どこで水を受け取れる可能性があるのか」
を確認しておきましょう。
実際の災害時には給水場所や時間が変更されることもあるため、必ずその時の公式情報を確認してください。
給水容器を一度使ってみる
給水バッグやポリタンクを購入したら、一度水を入れて持ってみることをおすすめします。
10Lの容器なら、水だけで約10kgあります。
「これなら持てると思っていたけれど、実際は重すぎた」
と気付くかもしれません。
防災用品は、持っているだけではなく、実際に使えるか確認しておくことが大切です。
家族で「水が止まったらどうする?」を話しておく
最後に、ぜひ家族で一度話してみてください。
「水はどこに置いてある?」
「非常用トイレはどこ?」
「給水所へ行くなら誰が行く?」
「赤ちゃんや高齢者、ペットの分は足りる?」
難しい防災会議をする必要はありません。
普段の会話の中で確認しておくだけでも、災害時の行動は変わります。
わが家の断水チェックリスト
□ 飲料水は最低3日分ある
□ できれば1週間分を目標に備えている
□ 非常用トイレの必要数を確認した
□ 水なし・調理不要で食べられる食品がある
□ 給水用の容器がある
□ 水を運ぶ方法を考えている
□ ウェットティッシュ・体拭きシート・歯磨きティッシュがある
□ 防臭袋・ごみ袋がある
□ 赤ちゃん・高齢者・ペットなど家族に合わせた備えがある
□ 最寄りの給水場所を確認している
全部にチェックが付かなくても大丈夫です。
今日、一つ確認できれば、それだけでも昨日より備えは進んでいます。
💡ラボ先生のワンポイント
断水対策は、一度に完成させなくても大丈夫。
まずは、
水・トイレ・食事・衛生。
この4つから確認してみましょう。
足りないものを一つずつ増やしていけば、それが「わが家に合った断水対策」になっていきます。
よくある質問(FAQ)
- 断水したらトイレは流してはいけないのですか?
-
断水しているから必ず流せない、というわけではありません。
排水設備に問題がなく、排水できることが確認されている場合は、バケツの水などを使って流せる場合があります。東京都の「東京防災」でも、排水できる場合の断水時のトイレの使い方が紹介されています。 (東京防災)
ただし、地震の後は注意が必要です。
排水管や下水道管が破損していると、汚水が逆流したり、破損箇所から漏れたりするおそれがあります。
特にマンションでは、上の階で流した水が下の階であふれる可能性もあります。排水設備の安全が確認できない間は水を流さず、携帯トイレ・非常用トイレを使用するのが安全です。 (東京防災)
「断水したら、お風呂の水で流せば大丈夫」と一律に考えないようにしましょう。
- お風呂の残り湯はトイレに使えますか?
-
排水設備が正常で、トイレへの排水が可能だと確認できている場合には、生活用水として利用できます。
東京都水道局も、飲料水とは別に、洗濯・掃除・トイレなどに使う生活用水を備えておくことを案内しています。 (東京都水道局)
ただし、地震直後など排水管の状態が分からない場合は、前述のとおりトイレに流さないでください。
また、お風呂の残り湯は飲料水や調理用には使用せず、生活用水として考えましょう。
- 水道水はどのくらい保存できますか?
-
東京都水道局では、水道水を清潔でフタのできる容器に蛇口から直接、口元いっぱいまで入れた場合、直射日光を避けた常温で3日程度、冷蔵庫では10日程度を飲料用の目安としています。 (東京都水道局)
ただし、浄水器を通した水や一度沸かした水は、消毒用の塩素の効果がなくなるため条件が異なります。東京都水道局では、浄水器を通した水は毎日くみ替えるよう案内しています。 (東京都水道局)
くみ置きした日付を容器に書いておくと管理しやすくなります。
保存期間を過ぎた水もすぐ捨てず、掃除や洗濯などの生活用水として活用しましょう。
- 給水所には何を持っていけばいいですか?
-
まず必要なのは、水を入れて持ち帰るための清潔な容器です。
ポリタンクや給水バッグなどを用意しておきましょう。
ただし、大きければよいわけではありません。
水は1Lで約1kgあります。
10Lなら約10kg、20Lなら約20kgです。
「20L入るから安心」と思って購入しても、実際には持ち帰れないことがあります。
高齢者や力に自信のない方なら、小さめの容器に分ける、背負える給水袋を使う、キャリーカートを準備するなど、自宅まで運ぶ方法まで考えておくことが大切です。
東京都水道局も災害時給水について、自分で安全に自宅まで持ち帰れる容器を準備するよう案内しています。 (東京都水道局)
- マンションは停電しただけでも断水することがありますか?
-
建物の給水方式によってはあります。
マンションでは、ポンプを使って各住戸へ水を送っている場合があります。
そのため、水道管そのものに問題がなくても、停電によってポンプが停止すれば蛇口から水が出なくなることがあります。
一方で、建物によって給水方式や非常用設備は異なります。
「マンションだから停電すれば必ず断水する」とは限りません。
自分のマンションがどのような給水方式なのか、非常用給水栓などがあるのかを、平常時に管理会社や管理組合へ確認しておくと安心です。東京都水道局でも、受水タンクが設置された集合住宅について、災害時にタンク内の水を活用する非常用給水栓の仕組みを案内しています。 (東京都水道局)
- 断水が復旧したら、すぐに水を飲んでも大丈夫ですか?
-
一律には判断できません。
断水後の復旧時には、地域や被害状況によって対応が異なるため、水道事業者や自治体から発表される情報を確認してください。
濁り水などについて案内が出ている場合は、その指示に従いましょう。
「蛇口から水が出た=すぐ飲める」と自己判断せず、まず公式情報を確認することが大切です。
まとめ
断水は、水道が使えなくなるだけの災害ではありません。
水が止まると、
- 飲み水
- 調理
- トイレ
- 手洗い
- 歯磨き
- 入浴
- 洗濯
など、毎日の生活のさまざまなところに影響します。
だからこそ断水対策では、「水を備える」だけではなく、「水がなくても生活できる準備」をしておくことが大切です。
まず確認しておきたいのは、次の4つです。
① 飲料水
飲料・調理用として1人1日約3Lを一つの目安に考え、まず3日分、できれば1週間分を目標に少しずつ備えていきましょう。
② トイレ
排水設備の安全が確認できない場合に備え、非常用トイレを家族の人数に合わせて準備しておきましょう。
③ 食事
水やお湯を使わなくても食べられる非常食を組み合わせておくと、貴重な飲料水を節約できます。
④ 衛生用品
体拭きシート、ドライシャンプー、防臭袋など、水を使わずに清潔を保てるものを準備しておきましょう。
そして、赤ちゃん、高齢者、ペットがいる家庭では、それぞれに必要な水や食品、衛生用品も忘れてはいけません。
防災に「すべての家庭に共通する正解」はありません。
家族の人数や年齢、暮らし方に合わせて、「わが家なら何に困るだろう?」と考えて備えること。
それが、いざという時に本当に役立つ断水対策になります。
ラボくんラボ先生、断水対策ってペットボトルの水を買っておけばいいと思ってたよ。
ラボ先生飲み水はもちろん大切だよ。
でも、トイレや手洗い、食事のことまで考えておかないと、生活はすぐに困ってしまうからね。
ラボくんじゃあ僕は、まず家に水が何本あるか数えて、非常用トイレも確認してみる!
ラボ先生それで十分!
防災は一度に完璧にするものではない。
足りないものを一つずつ見つけて備えていこう。
💡ラボ先生のワンポイント
断水対策で覚えておきたいのは、
「飲む水を備える」+「水を使わなくても生活できるようにする」
この2つです。
飲料水を増やすだけでなく、非常用トイレや調理不要の食品、体拭きシートなどを準備しておけば、大切な水を節約できます。
そしてもう一つ。
水バッグや非常用トイレなどの防災用品は、買ったら一度使ってみること。
「水を入れたら重くて運べなかった」
「非常用トイレの取り付け方が分からない」
そんなことに災害当日に気付かないよう、平常時に一度試しておきましょう。
最後に
蛇口をひねれば水が出る。
普段は、それを当たり前のこととして生活しています。
けれど、その当たり前が突然なくなったとき、水がどれほど私たちの生活を支えていたのかに気付くことになります。
だからといって、今日から大量の水や防災用品を一度に買いそろえる必要はありません。
まずは家にある水を数えてみる。
非常用トイレの数を確認してみる。
近くの給水場所を調べてみる。
次の買い物で、水を一箱多めに買ってみる。
その一つひとつが、立派な断水対策です。
災害が起きたときに、
「何も準備していなかった」
ではなく、
「これだけは準備しておいてよかった」
と思えるものを、今日から少しずつ増やしていきましょう。
防災は、特別なことをするためのものではありません。
いつもの暮らしと、大切な人との日常を守るための備えです。
Choice-Labは、これからもあなたと大切な人の「もしも」に備えるお手伝いをしていきます。

